大企業に人気が高まるのは通例
とあるインターネット上のニュースによりますと、
就職活動を行っている2013年卒業予定の大学生のうち、
すでに三割がたが内定をもらい、就職活動を終えているそうです。
今年は昨年よりはやや企業業績が持ち直し、また中小企業に人材が集まりにくいという
ミスマッチも解消されているのか、就職率がやや上昇傾向にあるようですね。
その一方で、希望どおりの就職活動ができないままの
学生さんも少なからずいらっしゃることでしょう。
終身雇用制度が崩れたとはいいましても、あいかわらず、
就職活動での人気は大企業に集中していることは否めない事実です。
企業の寿命は平均三十年か、四十年と言われます。
ということは、入社した会社に定年まで勤められるという保証はほとんど無きに等しいのです。
それでも、最初の就職先で大手を選びますのは、転職を繰り返すうちに
企業規模があまりよくない職場に流れてしまうことが多いからなのですね。
最近の就職活動生はそのような暗黙のルールは承知のうえ、
すでに入社する前からその会社を踏み台にして転職できることを
前提にして選択しているという、したたかさがあるそうです。
キャリアを備えた方の転職調査
また、そのいっぽうで、新卒のみならずある程度のキャリアを備えた高収入の方は、
どのような転職先を希望しているのでしょうか。
年収750万円以上のビジネスパーソンにアンケートした結果によりますと、
二十位までにランクインにしている企業は、円高で工場が海外移転しており
経営苦境に立っているのではとされている製造業が、
まだまだ不動の人気を保っていることがわかります。
一位のトヨタ自動車をはじめ、ソニーやパナソニック、日立製作所や日産自動車など、
まだまだ技術立国ニッポンのブランドネームを支えた大企業に憧れるビジネスパーソンは多いのでしょう。
外資系の会社でキャリアを形成し、高い語学能力や、海外での折衝能力、
企画立案力を備えた選りすぐりのビジネスパーソンならば、海外移転をもくろみ
岐路に立っている有名企業の一員として、経営の建て直しに参与したいという
チャレンジ精神を買われることでしょう。
外資系企業は採用の条件にTOEICの点数を提示している場合もあるので、将来の転職に向けて英語学習を進めているビジネスパーソンも珍しくありません。
現在は自宅にいながらオンラインで英語を学習できるため、時間の無さは言い訳にならないのです。
その他の転職先企業として人気が高いのが、昨今急成長しているIT産業です。
スティーブ・ジョブズというカリスマ的存在を生み出した世界的企業のアップル社をはじめ、
ソフトバンク社、ディー・エヌ・エー、グーグル、楽天やグリー、そして最近上場を果たしてから
話題となったフェイスブックなど、まだまだ歴史は浅いけれど成長株の企業が目立ちます。
野村證券や三井物産など、ひと昔前からも根強い人気のある商社や、
通信大手であるエヌ・ティ・ティ・ドコモ、経営危機が取り沙汰されてきた
日本航空や東京電力、オリンパスなどの企業名もランクインしています。
この調査から分かることは、年収の高い人ほど転職活動に余裕があるため、
新規のサービス開発力に自信をもって売り込みたいチャレンジャーと、
さらには日本の経済基盤を支えてきた大手企業の危機回避に向け尽力したいという、
高邁な精神に溢れた方が多いということですね。
転職とは一般に高収入、高待遇を得るためにめざすものですが、
業績が思わしくない企業にあえて自分の活路を見出すという気概に、
高収入転職者の意気込みを感じざるをえないでしょう。